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カテゴリ:お散歩のための読書

  • お散歩のための読書・ジモティー編
    [ 2009-06-12 23:59 ]
  • 歩く、江戸小説
    [ 2009-06-10 23:44 ]
  • 80年前の浅草へ。
    [ 2009-06-09 23:59 ]
  • 橋好きのための読書
    [ 2009-06-07 23:59 ]
  • シンジュクでも♪
    [ 2009-06-06 23:59 ]
  • 池袋モンパルナスなるモノ
    [ 2009-06-05 23:59 ]

 

お散歩のための読書・ジモティー編

ぱきら、横溝正史の金田一耕助シリーズ、好きです♪
「八つ墓村」とか。「犬神家の一族」とか。
わりと夢中になって読みました。
横溝正史といえば、岡山の山村ですね。戦時中、この辺りに疎開していたとかで、「八つ墓村」は津山で起きた実在の殺人事件をモチーフにしていると言われています。

画像は「八つ墓村」と並んで有名な、「犬神家の一族」ですが、こちらの舞台は諏訪湖です。

ところで、金田一シリーズの中でもややマイナーな(いえ、ファンはモチロン知っていますが、「金田一シリーズ」!といってなかなか名前が出てこないというイミです。)作品に迷路荘の惨劇」という作品があります。

この作品の舞台。明治政府の重鎮の別荘、「名琅荘」。
なんと、驚くなかれ。ぱきらの故郷、静岡県富士市にあるのです!!
いや~。最初に読んだときはオドロキでした~。
富士市。富士山の景観はちょっと自慢ですが、それほどメジャーな観光地もないし、「富士市出身です」と言って相手にモノスゴイ反応を示されたこともないので、比較的地味な場所だと思っていたのですが。

のっけから、こんな紹介があります。
「このへんは北に富士山を仰ぎ、南に田子の浦を臨み、風光明媚なことはいうまでもないが、付近に歌枕や史跡の多いところである」

えぇぇ~!! そんなに~!!? (照れ照れ)
「風光明媚」っつったら、尾道だとか鎌倉だとかの枕詞だと思っていたよ~。
うわ~。うわ~。富士市に「風光明媚」、いっちゃう~!?!?

と、目で活字を追いながら、デレデレしちゃったのでした。

さてさて。この本を読んでから数年後。
街道ウォーカーとなったぱきら。改めて見直してみると、同じく冒頭部分に、ちゃんと、東海道吉原宿の文字もあります。ハイ。富士市は東海道の宿場町でもあるのです。
でもって、旅情サスペンスドラマとかで、主人公の刑事が新幹線が富士山の前を通過するときに映る、あの場所も、富士市内だったりします。良いところですよ~♪♪

ちなみに問題の「名琅荘」、東海道本線の富士駅から北東へ1里強との説明があります。
このへん……??

by tabipachira | 2009-06-12 23:59 | お散歩のための読書 

歩く、江戸小説

深川界隈を描いた江戸モノ小説は多々ありますが、ミステリ好きのぱきらとしましては、やっぱり目が離せないのが宮部みゆきの江戸モノです。深川を舞台に、数々の名作が生み出されています。
最近読んだところでは、「あかんべえ」が面白かったです。

江戸深川に店を構えた料理屋「ふね屋」の娘、おりんちゃんは、大病を患って彼岸を見て以来、幽霊さんが見える体質になります。(この辺りが、宮部式ファンタジー)
で、おりんちゃんが、ふね屋に住み着いた幽霊さんたちを仲間に、この場所でかつて起きた事件のナゾに迫っていくわけですが……

ストーリーまぁ本を読んでいただくとして、ハイ!! ここで注目、お散歩好きポイント!!
江戸の地名の出てくる小説は数ありますが、宮部作品がスゴイなぁ、と思うのは、登場人物が町から町へとちゃんと移動しているところです。場所場所がポンポンっと出てくるのではなくて、道を歩いて川を渡って通りを駆け抜け、町のにおいをかぎながら移動している感じがするのです。
ページをめくりながら、一緒に歩いている気分になれて、楽しいのです。

ところで、宮部氏は、実際に江戸を歩いて、「平成お徒歩日記」という本も書いています。
コレは文字通り、テーマに沿って平成のお江戸をお散歩感覚で歩いたエッセイ集。「お散歩好きとしては、チェックチェック!」と思いながら読んだのですが、赤穂浪士の引き上げコースやら市中引き廻しコースやらと、魅力的なコースがたくさん載っていて、ついつい引き込まれてしまいました~。
(ただし途中にタクシー&電車ワープなどが入ってくる辺りは、ウォーカーズ・ハイ的にはどうかと思うのですが、それでも一般的に見るとたくさん歩いているんじゃないかと思います。)

ちなみに、前述の「あかんべえ」で、ふね屋が店を構えたのは、小名木川の高橋付近。

ぱきらのお散歩日記でもレポートしている通り、小名木川には小振りでもがっしりしたカンジのトラス橋が多いのですが、この高橋は現在ではわりかし普通の桁橋です……。
でも、ま、小説を読んで江戸時代はこんなカンジだったのかなぁ。なんて思いながらお散歩するのも、楽しいですね♪♪

by tabipachira | 2009-06-10 23:44 | お散歩のための読書 

80年前の浅草へ。

ハナシが東のほうに移動したついでに、
東京散歩好きにおススメしたいのが、川端康成「浅草紅団」です。

「浅草は、東京の心臓……。」
「浅草は、人間の市場……。」

昭和5年発表というこの作品は、川端作品の中でもかなり初期のものです。
「紅団」とは、浅草の不良集団。小説家の「私」は、この集団のリーダー弓子とともに、震災後の復興事業が進み姿を変えていく浅草の町を歩き回ります。

雷門をくぐって浅草寺。さらに、六区や吉原へ。
神谷バーが出てきます。隅田公園が出てきます。向こう岸にはサッポロビールや工場地帯。
浅草十二階は、すでに震災で倒壊していて、その様子が語られます。
晴れた日には、広重の江戸百景よろしく、富士山や筑波山も見えます。
東武鉄道の鉄橋は建設中。その橋の架かる隅田川を、船が走ります。

ハイ。この隅田川は、作品中に何度も描かれます。
橋好きぱきら、注目ポイントは、震災復興事業で架けられた、橋梁群。
特に、浅草よりやや下流の清洲橋・言問橋について、次のように語られています。

「隅田川の新しい六大橋のうちで、清洲橋が曲線の美しさとすれば、言問橋は直線の美しさなのだ。清洲は女だ。言問は男だ。」

う~ん。ステキ~。

清洲橋

言問橋


by tabipachira | 2009-06-09 23:59 | お散歩のための読書 

橋好きのための読書

お散歩のための読書の中でも、特に橋好きにオイシイのが、
藤沢周平の「橋ものがたり」です。

「橋」をモチーフにした短編集で、それぞれの物語ごとに物語の舞台となるさまざまな橋が出てきます。
知っている橋もたくさん出てきます!!
小名木川の萬年橋に始まり、隅田川の両国橋、同じく永代橋など。
知らない橋もたくさん出てきます!!
藤沢周平ですから、江戸モノです。町人モノです。人情モノです。目新しさや、ココロの躍るようなトキメキはありませんが、安心して読める名作選です。

「橋」というコトバの語源をたどれば、そもそもは、「あの世とこの世をつなぐもの」「異世界・魔界につながるもの」だったそうです。生活に応用しまして、川に架け、道路に架け、さらには海にも架け、現代的な意味では向こう岸とこっち岸をつなぐもの。比喩的には、ヒトの心と心までつないじゃうもの。
架けるか架けないかは、状況次第。渡るか渡らないかは、その人の選択。
そう考えていくと、橋からはいろんなストーリーが生まれてしまいそうですね~。

ぱきらは単に、建造物としての橋が好きなんですけどね~。

現代の萬年橋♪



by tabipachira | 2009-06-07 23:59 | お散歩のための読書 

シンジュクでも♪

シンジュクが舞台になっている小説といえば、
ぱきらがまず思いつくのは、藤原伊織の「テロリストのパラソル」かな~。
言わずと知れた、ハードボイルド小説の金字塔、不朽の名作……って言ったら言い過ぎですか?? イヤ、ホントウに面白いです、この小説。

何しろ物語が、新宿中央公園で爆破事件が起きるところから始まります。主人公の住処と経営する店は、靖国通り、厚生年金会館の近く。ストーリーは、この界隈を何往復も(何周も、かな?)します。
物語の舞台になっている場所が、具体的な地名や描写によって想像できるし、よく知っている場所ならもう一緒に歩いている気分にさえなれます。何なら、文庫本と地図を見比べながら文学散歩が出来そうな具合です。

でも、お散歩的視点で見ると、何より面白いなぁと思うのは、主人公の店が「靖国通りに面した」ではなく、「靖国通りを少し入ったところ」なところ。
目的地だけを目指してポーっと歩いていたら、大通りに並ぶ建物だけを何気なく見ながら通り過ぎてしまい、路地裏にどんなモノがあるのか、どんなヒトが住んでいるのかには気が回りません。普段は急ぎ足で、あるいは走る車で、はたまたその場所が見えもしない地下鉄で、何気なく通り過ぎてしまうような場所に、こんな人生を送っているヒトがいるかもしれない。と、ふと思います。
イヤ、そんなハードボイルドな人生は、モチロンぱきらには関わりのないモノで、身近に「こんなの」があっちゃ物騒で困るワケですが……。



ついでにもひとつ。
同じく藤原伊織作、「蚊トンボ白鬚の冒険」。
前述のテロパラよりもだいぶ後の作品です。あまりの異色さに、賛否両論の作品です(そりゃ、ぱきらだって、最初はビックリしましたさ。)が、でもけっこう好きです。
こちら、「白鬚」の名前の由来は、隅田川に架かる「白鬚橋」のある、あの辺り。
隅田川や日光街道、明治通りと、その界隈の地名がたくさん出てきます。あの辺りを歩き回ったことのある身には、「むふふ、あのへんかしら……」なんて場所を思い浮かべながら読むのもまた一興。


お散歩効果って、読書にも有効なのですね~。

ちなみにコチラ、白鬚橋。


物語にたびたび出てくる、白鬚橋の近くのファミレスって、もしかして……??


by tabipachira | 2009-06-06 23:59 | お散歩のための読書 

池袋モンパルナスなるモノ

「池袋モンパルナス」をご存知ですか?
モンパルナスといえば、パリにある、芸術家たちがアトリエを構えた土地ですが、東京にもかつてそんな場所があったのです。

昭和の初め、池袋西口から長崎あたりにかけての地帯に、芸術家たちのためのアトリエ付きの借家の並ぶ住宅地ができました。ここにアトリエを構えた若い芸術家たちは、パリのモンパルナスにちなんで、このアトリエ村を池袋モンパルナスとか、桜ヶ丘パルテノンとか呼びました。
有名どころでは、靉光や熊谷守一、丸木位里・俊夫妻がここで創作活動を行っていたそうです。

第二次世界大戦中、多くの芸術家が召集され、またこの界隈も戦火に遭って、戦後、芸術村はなくなってしまいました。
が、池袋ではモンパルナスの思い出を残そうと画策中で、ちょっと歩くとあちこちでちらほらこの文字を目にすることができます。仕事で池袋界隈に通うぱきらといたしましても漠然と興味を持っていたのですが……

このたび、ぱきらの趣味が東京歩きであることを知る知人から、この本を紹介されました。
坂東真砂子の「桜雨」という小説です。

出版社に勤める女性が、戦前に描かれた1枚の幻想的な絵に出会い、この無名の画家の描いた絵について調べる過程で、舞台は現代の池袋周辺と昭和初期から戦中にかけての池袋モンパルナスを、行ったり来たりします。
ふたつの時代がシンクロするように繰り返される、現代人と戦前の芸術家(あるいはそれを夢見た人)の、夢とか現実とか、努力とか怠惰とか、ときめきとか挫折とか、その奥のほうにちょっとだけ見え隠れしているかすかな希望や諦めや許しとか。物語の底の部分にある、幻想絵画の炎と桜の花びらの通奏低音が美しいです。

一言でくくれば恋愛小説というジャンルに属するようですが、その辺りはさすが坂東真砂子。それだけでは終わりません。
恋愛小説はちょっとなぁ。と思っているぱきらも、夢中で読むことができました~。
ぱきらはコレを読んで、俄然、池袋モンパルナスに興味を持ちましたが、お散歩好きだけでなく、芸術を愛する人々や、土地の歴史に触れようとしている人々にもおススメの1冊です。

by tabipachira | 2009-06-05 23:59 | お散歩のための読書