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荒屋敷の恐怖!

ももたと行く、身延線歩き第3回目。

本日の目標距離は、寄畑から身延までの10キロ。
道は身延線の線路に沿った県道10号線と、楽勝の行程。
風はやや強いものの、歩いている間に空はどんどん晴れてきて、
歩きやすい程度のぽかぽか陽気。まさに散歩日和♪♪

10時半には身延町に突入!
昼前には、身延のひとつ手前の甲斐大島駅を過ぎて、さてさて
お昼ごはん(身延でゆば料理だ!)まであと少し……と思ったところで、

こういう場所に差し掛かりました。
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線路に沿って走っているのが、県道10号線。
その横手を、富士川が流れているのですが、この区間で川はぐる~っと西に迂回して、
丸っこい半島のような地形ができています。
その富士川と、線路&県道とに挟まれた、小さな半島部分。

な、なんか、気になります、このミステリアスな地形。

しかも、「荒屋敷」……という地名。さらに、その隣に、「平」の地名。
ちょっとそそられません??
八ツ墓村みたいで。(←失礼。)

さらに、ぱきらのには載っていませんが、ももたが用意した地図には、
「旧市川家住宅」という文字が載っていて、名所旧跡マークがついています。

「観光名所なのか?」
「う~ん、どんな住宅なのかさっぱり分からないね」
「でも、観光名所のマークがついてるのだ」
「行ってみる……??」

と、しばし逡巡。

なぜなら、「島」部分の入り口に見つけた「←旧市川家住宅」の看板には、1,2キロと
書いてあるのです。さらっと行けない距離でもありませんが、そろそろお腹も空いてきた
し、早く身延に着いてゆばが食べたい思いも頭から離れません……。でも。

「そういえば、身延線歩き、3日目にもなるけれど、これまで観光地や名所旧跡は
ほとんどなかったよね……これは初の観光スポットかも……」

ちょっと寄り道してみることにしました!

「島」地帯は、中心が小高いお山になっていて、その小山を囲みぐるっと迂回する
形で細い道が続き、道沿いに点々と民家や神社、お寺があります。
県道を離れ、小山をぐる~んと時計回りに5時から10時の方向へ。細道を進みます。
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のどかな里の風景が広がっています。
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すると、行く手に古めかしげな萱葺き屋根のお宅が姿を現しました。
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おお! これか!? これだ!!
旧市川家住宅は、築200年超という、古い萱葺き屋根の住宅です。
市川さんのお宅ですが、現在は資料館になっています。
市川さんは、ここいら辺の大庄屋で名主さんで、この島部分は富士川の舟運の
中継地にもなっていたらしく、古い船も展示されていました。

外見は質素な萱葺き屋根のお宅ですが、
広い座敷や立派な床の間、欄間に、「名主んち」感が漂っています。
手入れの良すぎないところが、さらに古めかしさを演出していて、ホンモノっぽいです。

「うわ~」
「うわうわ~」
「知らなかった、こんなところがあるなんて~」
「ホントだ~」

と、感歎の声を漏らしつつ、屋敷内を見学し、さて、お外に出てきました。

ところで。

我々、「島」部分の、10時の場所におります。
案内図によると、来た道を引き返すしか、県道に戻る道がなさそうなのです。
しかし。

このまま時計回りに回って、「島」部分の北のほうに出た方が、近いじゃん!!
来た道をそのまま帰るのも、何となく芸がないし。

地図には、旧市川家住宅からさらに北に伸びる、点線があります。
これは道ではないですか? 車は通れないけれど、道が続いているのでは??

と、とりあえず、来た道を背に、点々の道を進んでみることにしました。
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ほ~ら。ちゃんと道があるじゃない♪
これで、ぱぱっと県道に合流よ。身延はすぐそこよ。
しかし……

これは、道……デスカ??
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山肌に沿った細道(道かどうかは不明)。
右手は森です。

「……なんか、怪しい道だよね……」
「熊とか、いないよね……」
「……」

身延線歩き恒例!?
困ったときの、

高歌斉唱!!

※熊避け!!

(ももたとぱきらは、小・中・高校の高歌を一緒に歌える仲である。)

「田子の~浦~なみ~♪♪ て~ぇりぃぃ~は~ゆ~る~~♪♪」
「大きな富士が~♪」
「愛鷹山の懐にぃぃ~~~!! ……えぇぇん! 怖いよぅ~!!」

気持ち早足にさかさか進み、やっと車の轍の残る広めの道に出たと思ったら……

なんと!
勇気と度胸の強行軍のかいもなく、なんかこんなの↓にぶち当たった!!
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「な、なんだ、コレ……」
「地図によると、ここいら辺に、揚水機場……とあるが……」
「揚水機場……」
「立ち入り禁止……??」

行き止まりまで行って、思いっきり首を伸ばす。

目の前の崖の下を、春の嵐で幾分水かさを増した富士川が、悠々と流れ……
はるか前方には、向こう岸。県道らしき大きな道路が見えます。
あぁ……あそこに行きたいのに……。

しかし、揚水機場の向こうは切り立った崖になっていて、迂回して進む道はありません。
手前側は、まったく道のない、山!!
森の中を無理やり登っても、そこからさらに降りられるのかどうかは賭けです……。

来た道を引き返す=あのちょっと怖い道をもう一回通る

イヤですけれど、他に道はなさそうです。
ここは泣く泣く引き返すことにした2人。しかし、本当の恐怖はここから始まったのでした。

(なんか長くなったので、次回に続く!!)


by tabipachira | 2010-03-25 20:15 | そのほかのお散歩  

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